2012年5月投稿の記事
東京スカイツリーと五重塔の話を、先日、書きました。
宮大工の(故)西岡常一棟梁が言っておられましたが、法隆寺の五重塔の心柱は、
西暦594年に伐採された直径2.5mの吉野檜(樹齢1400年?)が使われているそうです。
現在でも鉋をかけると、新しい木の匂いがするそうです。
西岡常一棟梁は、
この吉野檜の心柱は生きているとおっしゃていました。
すると、
法隆寺の五重塔の心柱は2800年の間、日本を見てきた来たことになります。
<西岡常一棟梁のお言葉>
法隆寺の宮大工西岡常一棟梁は、法輪寺再建の時に補強のため鉄骨を使おうという建築学者を前に、次のようなことを言ったという。
「大工の言うとおりにすれば、それでいいんや。飛鳥建築でも、白鳳建築でも、天平の建築でも学者が
したのと違う。
みんな大工が、達人がしたんや。
我々は達人ではないけれども、達人の伝統をふまえてやっているのだから間違いないんや。
いらん知恵出して、ヘンなことをしたら、かえって ヒノキの命を弱めるのだから、やめてくれなはれ。」
「木に学べ」 西岡常一
木は原木から
法隆寺五重塔を再建した宮大工、西岡常一 棟梁は、大工みずから山に入り、立ち木一本一本その育った環境を見、木のくせを把握してこそ、適材を適所に組むことができる・・・と述べておられる。
まずは形からと(?)、木の切り出しから手がけます。
話は変わり、
飛鳥時代のような大昔の仏像の達人彫師は、
仏さま、観音さまを作るのでなく、木の中にいらっしゃる仏さま、観音さまに木の中から出ていただく、お手伝いをしているだけだ。
どの木に仏さま、観音さまがいらっしゃるか? 山深く入り探して、
出ていただくために神事を行い。
木を伐採して、木を彫る。
木の中にいる仏さま、観音さまのお顔、お姿が見える。
とおっしゃるそうです。
達人たちは名を残していませんが・・・すごい人たちです。
おじさんの好きな中宮寺の弥勒菩薩半跏思惟像です。
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2800年も日本を見守ってきた法隆寺五重塔の心柱 (直径2.5mの吉野檜)
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