技術翻訳とか通訳などというと、よく聞く言葉が
そんなの簡単ですよね。
翻訳ソフト、通訳ソフトがあれば楽勝ですよね。。。
しかし、私が知る限り、これらのソフトがすごい威力を発揮した話を聞かない。。。
なぜか?
・それは言葉の世界はとても奥が深い。。。
専門用語・・・科学技術、医学、法律、などなど・・・
・それぞれの言語の原文が完全な日本語、英語で書かれていないことがままある。
日本語は特に略語が多いです。などがあげられると思います。
数年前、すごくびっくりしたことがあります。
職場で日常英会話が堪能な女性がいます。
とてもまじめな女性で、名古屋の某お嬢さん私立大学を卒業された方です。
その方が、
One bar pressure を
一本の棒材に作用する圧力・・・と訳したのです。
えええええ!!!! と私は心の中で叫びました。
barが圧力の単位であることを知らないのです。
以来、文系の方に理系の文書の翻訳は絶対に無理だと思いました。
やはり、その分野の専門知識がないと無理だと思いました。
まあ、そんなこんなで、技術翻訳、通訳は簡単な機械的な変換業務ではないと思います。
そんな技術翻訳の世界の話題をひとつ
数年前、作業現場で使う 「保護具」 を何と訳すか?考えました。。。
保護具って、こんなものです。
ヘルメット、保護メガネ、安全靴、耳栓などなど
いまどきの翻訳は電子辞書だけ使いません。まして紙の辞書なんか。
ネット検索でさまざまな角度からどういう用語が適切か?調べて語句や訳文を探します。
私がよくやる方法は、
Googleに以下の文字を入力します。
"保護具" 英語
そして、 一番上に「Weblio辞書」が出てくるので、中をのぞくと
protective equipment
protector
guard
などなどが出てきます。一番多いのは、「protective equipment 」
なんか長くないか? protectorでいいんじゃないのか?
そして、Googleで
"protective equipment " 保護具
と入力すると、約 16,200 件
protector 保護具
と入力すると、約 183,000 件
protectorの方がヒット件数がうんと多い。
protectorでいいんじゃないか?
念のためprotectorで画像検索すると
こんなものばかり、戦闘員の防御服ばかり
"protective equipment "で画像検索すると、作業現場の保護具のイメージの画像ばかり。
以来、私は作業現場で使う「保護具」は「protective equipment 」を訳語に充てています。