今日は有名な振動対策のお話。。。
東京スカイツリー
今、東京のシンボルですね。
夜景もきれい。
東京スカイツリーのHP
http://www.tokyo-skytree.jp/
Wikiはこちら
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E4%BA%AC%E3%82%B9%E3%82%AB%E3%82%A4%E3%83%84%E3%83%AA%E3%83%BC
でも・・・634mのタワー。
地震が来たら?どうなる?
大丈夫です。
まず、巨大な木の根のような鉄筋コンクリートが地下30mまで入り込み
がっしりと支えています。
そして、タワー自身が揺れても、中心のエレベータとタワー外壁は分離していて
タワーの振動方向と中心のエレベータ柱は逆方向(逆位相)に揺れるので振動を抑えます。
名古屋の東山公園のタワーの制振技術は巨大なダイナミックダンパー(Dynamic damper)です。
(そのうち、Dynamic damperの話もするね。そんなに難しい話ではない)
共振時の振動を打ち消すダンパーです。
スカイツリーの頂部制震装置もそうかな?
東京スカイツリーを設計したのは「日建設計」、施工は「大林組」
うわさでは、日建設計のエンジニアの平均年収は2000万円近くとか?
すごいエンジニア集団のようです。
最先端技術?
コンピュータシミュレーション(固有値解析、周波数応答解析など)、振動実験など使い、どういう構造がよいか?
かなり検討されたと思います。
でも
実は、日本古来の建築にこの「心柱構造」技術は採用されています。
法隆寺の五重の塔などの構造がこれです。
中心に「心柱」という樹齢1000年以上の太いヒノキの柱がぶら下がっています。
昔の方は樹齢1000年を超えるヒノキの大木は神様としてあがめたそうです。
最初は何のためにぶらんとぶら下がっているか?
わからなかったそうです。
しかし、これは地震の時、五重の塔が倒壊しないための構造であることが理論的にわかったそうです。
古来、日本の多重層塔は火事で焼失したことはあるが、地震で倒壊した例はないそうです。
今から1300年前から、日本の大工さんは地震対策を体得していたのです。
そんな地震対策の動画を紹介します。
まずは法隆寺の心柱による地震対策
法隆寺 五重の塔( 発見 免震構造 )
耐震技術の簡単な説明は、1:20から3:00
昭和の大修理のときの映像。心柱が写されています。
このブログ記事の下に縮小模型(約1/20)の加振実験の動画もあります。
この技術を参考にした東京スカイツリー
スカイツリーの場合、上から300m以上の心柱を吊ってなく、地面から375m突き出して
地震時に心柱と外壁が逆方向に動くようになっているようです。
東京スカイツリー心柱・制震装置(NHK BS放映)
1:地震対策(心柱、制震装置 芯柱長さ 375M 重量11000トン)
芯柱の施工状況(236日かかった)
2:頂部制震装置(TMB共振防止装置)
3:ロゴスキーコイル(雷電流測定・雷研究)
4:安全対策(クレーンにオイルダンパー取り付け)
東京スカイツリー数字:延べ人数 585000人(東京タワー220000人)、鉄骨本数37000本、鉄骨重量41000トン(東京タワーの10倍)
そして、3/11の地震の時
建設中の東京スカイツリーの揺れは
3月11日大地震時の東京スカイツリー揺れ方
2:30頃から地震時の映像が・・・
4:10ごろに近くの住民が写した映像が
まだ、制振装置が完成してなかった?が根っこがしっかりしていた。
やはり、タワーでなくて、木、ツリー(tree)ですね。
東京スカイツリー エレベーターと風景
参考:
五重の塔 振動実験
五重の塔の縮小模型を加振したときの映像です。
こちらもご参考ください。
五重塔は耐震設計の教科書
http://pedpa.co.jp/library/tower.html
名古屋東山スカイタワーの制振装置
http://www.higashiyamaskytower.jp/whatsskytower.html
展望室・スカイレストランの揺れを減らして快適に過ごせるようにするため、4階展望室の中心に設置されており、その実物をガラス越しに見ることができます。
やじろべえのように1点で床に固定された約20tのおもりを揺らすことによって、建物の揺れのエネルギーを吸収し、揺れ幅を6~7割程度に抑えています。
阪神淡路大震災クラスの震度7(激震)でも大丈夫な仕組みになっているので安心ですね。
なお、展望タワーで制振装置を設置している施設は大変珍しいので、お越しの際は是非ご覧ください。
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東京スカイツリーの耐震技術・・・心柱構造・・・実は1300年続く耐震技術
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